Monday, October 10, 2011

Die Frau - 窶れぬる




Die Frau,
die furchtbar abgezehrt aussah,
schenkte mir diese Birnen.



窶れぬる人より梨を賜れり







離婚したは良いが里帰り出来ず、
部屋探しに奔走して居た晩秋の或る日、
村役場からこの老夫妻の処なら安心して住めると勧められ
お会いしたのは今の大家さん。

物腰柔らかで少年の様な笑みの御老人は
「今入院中の妻とも話してみます」と仰り、
身寄りなき元外国人を
手塩に掛けて修築した部屋に住まわせて下さったのだった。

退院後その奥様にお会いしてみると
彼女は優しさそのものが気丈である様な方で、
我が両親よりもほんの少し年上の彼等に甘えて
此処に住まわせて頂く事彼是もう12年になる。

急の冷え込みに頑丈な壁に蓄えられた熱も去り、
それにしては大家さんから「そろそろ暖房を入れましょうね」と言う
何時ものお電話が無い。

夫が大家さんの処へ伺うと奥様がかなり窶れた御様子、
訊けば旦那様が80歳にしてバイパス手術を受けられるとの事。
数日後、無事手術は成功したと聞いてまずは安心したが、
快復が遅いのか未だ、集中治療室にいらっしゃる様だ。

そして今日、その奥様から電話で
「なんと暖房の事をすっかり忘れていました…ごめんなさい!」

然し、今迄全て旦那さんが暖房等の器具を
作動させていらしたとの事、彼女が頼みの綱としたのは
実の息子さんでは無く我が夫。

あれこれスイッチを弄っては動作状況を調べ、
1時間後に漸く暖房パネルに熱いお湯が流れ始めた。
こんな時に文句一つ言わず行動してくれる夫を褒めて居ると、
これから旦那様を見舞うと言う奥様がいらした。

籠一杯の梨や林檎を手に
あなた方の優しさは絶対に忘れません等と仰る。

こちらこそとの我が言余りに拙く

奥様の瞳はかろうじて溢れず…









4 Kommentare:

  1. チャッピーOct 11, 2011 01:30 AM

    大家さんの奥様の心境がまざまざと伝わってきて、涙が出ました。大家さんの全快を心からお祈りしています。

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  2. チャッピーさん、ご無沙汰しております。
    そして温かなお言葉有難うございます。
    大家さんに皆さんのお祈りもきっと届いていると思います。後は奥様ご自身が心労で倒れてしまわれないかが心配なのですが…

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  3. 日本では今日(11月8日)から立冬。
    まだまだ温かい日々が続きます。
    益子の陶器市の帰り、子供の頭程も
    ある大きな梨を買いました。
    西洋にもこんな梨はあるのでしょうか?

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  4. コメント有難うございます。
    益子の陶器市…一度行ってみたいです。
    陶器の事はさっぱり分かりませんが、
    見ているだけで心が温まるものですね。
    子供の頭程もある梨はこちらでは見た事ありません…
    最近では「Nashi」と言って日本の梨に似た物も
    出回って居ますがかさかさぼそぼそして
    こちらの人は日本の梨は不味いと思ってしまうのではと
    悲しくなってしまいます。
    そちらでは立冬にあわせて寒くなるとか…
    どうぞご自愛下さいませ。

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